ROMANCE

「へえ、…俺の彼女になれば他の男とベタベタしねえんだ?」

「ちょっと…怖いって…」

耐え切れず拒絶の言葉を発す




「じゃあ優しくしてやるから、この怒りをおさめてくれよ」




その言葉の意味を理解する前に強引に唇がふさがれて、逃げられないように全身で押さえつけられた


…これで直也の怒りがおさまるの……??


そんな疑問が頭に浮かぶけど

昨日のキスと今日のキスと

痛む胸と

押しのけたい衝動と

引き寄せたい欲望と

やっぱりわかんないや




唇が離れると苦しそうに直也が「みずき」とアタシの名を呼ぶ

声がでなくて、見上げるように直也の目をみつめるとアタシの目の中をのぞき返してくる

「ちょっとおさまった」

なんて自己中発言をすると、押さえてた肩から両手をのけて、アタシの腰をギュッと抱いた

勢いよく抱き寄せられて爪先立ちになるってゆうか、軽く体が浮いてる??

「ちょっと……」

と少し笑うと、今度は打って変わってゆっくりと唇が覆われていく

熱い唇はやわらかくて甘いのに、割り込んでくる舌は容赦ない

求めていたものが与えられたような安心を感じて直也の背中に腕をまわした
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