ROMANCE


学校帰りにスーパーに寄って、家で夕飯の支度をする

直也と交わした朝の会話を思い出して、食材をいつもより多目に買って、いつもより多目に作った

時計を確認して、部活が終わる頃には準備万端にととのえる

機嫌なおってるといいな

お昼休みはどう考えても機嫌わるかったもんね


なんでだったんだろ・・・

もともと愛想のいい男じゃないけど、感情をむき出しにするタイプでもないし

だけど今日のは明らかに寺野にたいして態度が悪かった


食卓をキレイにしながら思いをめぐらせた


帰ってきてすぐ夕飯の支度をはじめたからまだ制服のまま・・・

着替えよっかな?

どうしよっかな・・・

そんなことを考えていると玄関の鍵が鳴る

重そうなカバンをどさりと置く音がしてしばらくするとリビングのドアがあき、直也が「腹減った」とソファーに音をたてて座り込んだ

「おかえり、すぐ食べられるよ」

食卓を指さすと直也は重い体をもちあげて移動する

なんとなくかもされる不機嫌オーラ

まだ、機嫌悪いんだ

直也はテレビのリモコンを押してカチャカチャとチャンネルを変えるとバラエティ番組でとめる

テレビを見ながらの食事はいつもの定番


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