姫と王子
 
 
「柚綺ちゃん!
真尋様が呼んでるよ!!」
 
「…え…??」
 
呼んでる?
なんで、どうして。
理由は?
 
今まで東宮真尋と
話したことなんて、
1回もない。
 
 
「早く早く!
とにかく来て!!」
 
クラスメイトの
女の子に急かされて
あたしは少し戸惑う。
 
そうすると、女の子は
あたしの腕を引っ張り、
前に進もうとする。
 
 
引っ張らないで!
行きたくない!
 
そう思っても言えない
わけで。
 
女の子はお構い無しに
どんどん進む。
 
 
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