姫と王子
「…藤緒さん??」
「あっ!はい??」
突然声をかけられ、
目線を東宮へと移す。
一東宮はあたしを見て
微笑む。
でも、その笑顔に
違和感を感じた。
「・・・あの・・あたしに
何か用ですか?」
「・・・えぇ、まぁ」
「な、なんですか…??」
おそるおそる
聞いてみた。
やっぱり、あのこと??
だけどあれは
東宮じゃないはず。
別人みたいだったし…。
・・・じゃあ、
あたしに用って?
そう思って頭で
考えても思いつかない。
一刻も早くここから
出たいのに・・・!!