姫と王子
 
 
一でも、あえて
その話題には
触れなかった。
 
「手帳、返す」
 
「あ、うん…」
 
あたしは東宮から
生徒手帳を受け取り、
生徒会室から
出ようとした。…が。
 
また東宮に腕を
掴まれ、振り向く。
 
 
「な、なに…?」
 
「あとでまたここに
呼ぶからな」
 
そう言って、ニヤっと
笑う東宮。
 
・・・最悪だ…。
とてつもなく嫌な
予感がしてきた…。
 
 
あたしはなにも
言葉を返せず、
そのまま黙っていた。
 
「…絶対に来いよ?
じゃねーとどうなるか
分かってるよな??」
 
「・・・は…い」
 
 
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