姫と王子
その放送に誰もが
耳を傾けていた。
それもそのはず。
今の放送の声、
どこかで聞いたこと
あるなぁ…なんて
思っていたら
あいつの声だって
直感的にそう思った。
だからみんな、
放送を真剣に聞いて
たんだ・・・。
ホント呆れるよ。
「柚綺、東宮真尋に
なんかしたの?」
「…なんかしたって
言うか…なんて言うか
…まぁ、ちょっとね」
「…?ふーん。
ま、呼び出されたし
早く行きな!」
和沙はあたしの
背中を押しながら
顔はニコニコ。
なにがそんなに
嬉しいんだか…。
「んー、わかったぁ。
じゃあちょっと
行ってくるね。和沙は
先帰ってていいよ?」
「はいはーい!
行ってらっしゃい」