セカンドピアス
若干ニヤついた顔で携帯を閉じる。
早く片割れちんに会いたくて走り出したあたしの髪色は金。
てっぺんぷりんの金。
染め直しはいつにしようかな....
そんなことを考えているうちに目の前に広がった
原チャの群れ。
あたしの携帯のストラップのジャラつく音に気付いた1人が振り向く。
「お前-、また喧嘩したんか!親涙目じゃねえか~」
買いたての肉まんをほおばる黒髪ピアス野郎。
相変わらずピアス野郎だ。
心なしかシルバー度が上がった気がする。
「うっせ-なあ、お前も喧嘩してここにきてるんじゃねえの~?」
言い返しながら
片割れちんに返信を打つ。
「ぴんぽ-ん。親と仲良かったらこんな時間にこんな場所にいないっつ-の!」
集団からどっと笑い声があがった。
黒髪ピアス野郎があたしの彼氏。
この前の総会で新しく入った先輩だ。
最初から無駄に態度がでかかったコイツは
不満をもったメンバーとの怠慢に圧勝。
一発総長の座についてしまった
とんだ野郎。
そんなヤツがいきなり、
赤面するのだからおもしろくて仕方がない。
結構チキン野郎なんだよ(笑)