Santa_Claus
 


「お……おじさんが……。

おじさんがやったんだよ!」



震える声で、

僕は叫んだ。



おじさんはこの世界に

たくさんいるから、

犯人さんのことを

言ったことには

ならない、よね……?



「おじさんー?

どんな?」



「どんな……って……

ヘン、な……?」



「ハァ?」



「おい!賢治!

早いとこ荷物を教室に置いて、

運動場でドッジやろうぜ!」



今登校してきた

賢治くんの友達が、

そう言う。



賢治くんは

「おう!」と笑って、

走って教室へと向かった。



取り残された僕は、

「ふぅ」と息を吐いて

安心した。



危ない危ない……。

犯人さんの情報、

教えちゃうとこだった。

でも、

「ヘンな」って

悪く言っているみたいだし、

言わなきゃよかったかなぁ。



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