Santa_Claus
僕は机の中から
シンプルな紙と
封筒を取り出して、
鉛筆を持つ。
考えるより先に
手を動かしていた。
『サンタクロースさんへ。
サンタさんが言っていたこと、ぼくはちゃんと守りました。
サンタさんがみあをころしたこと、サンタさんがぼくに言ったとおり、ぼくはだれにも言いませんでした。
みあをころしたのは、みあがわるい子だったからですよね?
ぼくは、いい子ですか?
もしいい子なら、黒色のディーエスが欲しいので、ください。
おねがいします。
こう太より』
何度も読み直して、
間違いがないかチェックした。
納得するまで読み直して、
僕は
手紙を真っ二つに折り、
封筒の中にいれた。
「ただいま……」
玄関から
お母さんの暗い声が
聞こえた。
無言だけど、
お父さんの気配もする。
「おかえり!」
僕は
手紙入りの封筒を
ベッドの枕元に置いて、
自分の部屋から
廊下に顔を覗かす。