God of Death


 ーー疲れた。
 もう、疲れた。なんで、俺の周りはあんなに幸せそうなんだろう。何で、あんな風に笑えるんだろう。ああ、楽しそうだ。
 ……なんで、なんで、なんで、俺はこんななんだろう。


 授業が終わり、教室にいるクラスメイト達は帰り支度、または部活に行く用意を始める。そんな中、彼は何もせずぼーっと黒板を見つめていた。
 無造作に消された黒板には、まだ白いチョークの粉が残っている。数分後には、教室掃除に割り当てられた人達によって、その粉は完全に無くなるだろう。
 そんなことを考えながら、今度は視線を窓の外へと移す。
 この教室は四階にある為、地面がとても遠く見える。
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