God of Death

　名を、アイトと言う。
　今、初めて会ったのに、何故か、昔から知っている様な気がする。とにかく、違和感を感じない。……むしろ、違和感を感じないことに違和感を感じるぐらいだ。
　それに、
「なあ、君……何か大きな悩み事を抱えているだろう」
　初対面の人に、こんなことを尋ねられても、歩夢はそれが当たり前、現実だとでも言う様に受け止めてしまう。

「なんで分かるんだ？　アイトさん」
　初対面だし歳上らしいので、一応は礼儀正しくさん付けで行こうと思う。
「何となくかな。疲れた顔してるし。世界が面白くない、とか思ってるだろ？」
　あっさりと図星を突かれ、歩夢は少し戸惑った。