God of Death

 ………。

 ブレーキは無かった。

 代わりに、プラスチックが割れた様な、ちくちくとした感触が両手に伝わる。


 ……さっきの音、って。


「うわぁあああああああああああああああああ!!!」

 無意味な叫びは、街中に木霊した。
 歩夢の乗った自転車は、勢い良く踏切に突っ込み、遮断機がぐにゃりと曲がる。


 歩夢は空中に投げ出され___
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