God of Death

「……私、そろそろ行かなきゃ」
　メグミは、立てかけていた鎌を見て呟いた。恐らく、仕事が入ったのだろう。
「おい、メグミ」
「ん？　何、アイト？」
　アイトが声をかけると、鎌を握りしめたメグミが振り返る。

「……ありがとな」
　アイトは、少し照れくさかったが、はっきりと口にした。
「え、何のこと？」
　メグミはとぼける様にまたはにかむと、「じゃあ」と短く残して、その場からシュンッと消えた。
　正確には消えたのではなく、物凄いスピードで空へ昇り、目的地へと向かったのだ。

　死神としての能力を、メグミほど最大限に使いこなせる死神は、数少ないだろう。
　そんなメグミが尊敬する人物、”死の騎士”は、どれほどなんだろう。こちらも、会ったことは無いけれど。