God of Death
 エミヤは、”死の騎士”という威名をそれなりに気に入っていた。死神達の間で、勝手に尊敬されたり恐れられたり。
 とにかく自分は、特別なのだ。死神としては能力的にもかなり強いし、能力の使い方もそれなりに上手い方だ。仕事も着々とこなし、死の王には有能な存在としてよく仕事を任せられる。
 そんな自分を、誇りに思っている。だから、人を殺すのも苦じゃない。むしろ、人を殺すことによって死の王に認められるのを知ってからは、まるで楽しむ様に人の命を奪っている。
 だが……人の命を奪ってから、いつも思う。
 ーー俺は、何をしているんだろうか。何故こんなことをして、楽しんでいるのだろうか。
 だから、仕事の後は、仕事をする前とは打って変わってつまらない気分になる。
< 64 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop