閃きの神様
「でもさ、俺に出くわしてラッキーだと思ってるだろ?」
「なんでよ?」
出来れば会わずに早く帰りたかったんだけど、という言葉は口に出さないでおく。
「閃きの神様が傍にいてくれんだぜ?ありがたいだろ?」
「……。」
「シカトか、おい。」
本日2回目の神様発言はスルー。
だって、早く小説を書きたい。
「まぁ、いいや。中みな、ちょっと付き合え。」
そう言うと、その場を去ろうとしていたあたしの手首をガシッと掴んだ。
「へ?ちょっと、なに?どこ行くのよー!?」
渾身の叫びも虚しく、あたしは神様に拉致されたのであった。