閃きの神様
走って家に帰り、ただいまも言わず階段をバタバタ駆け上がる。
自分の部屋に着いて、バタンとドアを閉めた。
「はぁ……。」
なにこれ。
本当なにこれ!
「顔あっつい。」
頬に手を当てると、走ったせいか火照っていてじんわりと温かかった。
「リアル恋愛小説だ。」
ボソリと呟く。
そして気付いた。
「あっ、これいいネタかも。」
これも神坂のご加護なんだろうか。
今日の事、授業中に思い付いた話のデートシーンに活用しよう。
こんな状況なのに、あたしの頭は既にそんな事を考えていた。
職業病…かな?
それにしても…
神坂って本当に神様なの?
一緒にいると、どんどん話のタネが出来る。
…まさかね。