好きです。 ~春~



「エヘヘ…


 抜けて来た。

 ごめんね。

 
 折角皆が交渉してくれたのに…


 でも、皆に悪いし」

「悪いってだけで戻って来たの?」

 
 美紀は真樹と手を繋いだまま静かに言った


「いいや。

 だって、楽しくなかった。


 美紀達と居なきゃ合宿来た意味が私には無くなる」


 えっ?
 
 ってビックリしたように美紀と真樹が目を見開いた


「私、今まで行事休んでたけど…

 
 今回は美紀とか真樹とか居るし。

 
 安心して来れた」

「でも、その人達のせいでこれだけどね」

 
 フフッ っと鼻で笑う菊瀬さん


「だから、美紀達と居たい」

 
 美紀はずっと下を向いていて…

 真樹と繋いでいた手を離す


 急に上を向いて…

 
 ガバッ

「ありがとう…

 零、ごめんね…


 大好き~」
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