月と太陽。
由美子「・・・ょぉっ。」

ん??

姉ちゃん??

由美子「・・・ぃょう。」

あぁ。

頭いたい。

由美子「太陽っ!!!」

太陽「・・・何??」

由美子「太陽。」

そう言って、泣きながら僕に抱きつく。

ただの過労で倒れただけなのに。

由美子「よく、手術に耐えたね。」

えっ??

手術??

太陽「姉ちゃん・・・手術って何??」

由美子「あんた・・・覚えてないの??」

太陽「うん。頭、いたいけどね。」

由美子「・・・そう。まぁ、いいんだけどね。」

太陽「少し休めば、また家に帰れますか??」

由美子「帰れるけど・・・。っつかさ、あんた何の冗談??」

太陽「何がですか??」

由美子「おもしろくないから。そんなしゃべり方。」

太陽「僕は、元からこんなしゃべり方ですけど??」

姉ちゃんは、口を大きく開けて、僕のほうを見ている。

医者「どうですか??」

由美子「太陽が、しゃべり方変なんです。」

太陽「先生。僕、普通ですよね??」

医者「はぁ・・・。コレは、軽い、記憶喪失だと思われます。」

由美子「記憶喪失!?」

太陽「記憶喪失??」

医者「いや・・・軽いものです。いずれ、治ると思います。」

由美子「はぁ。安心した。」

医者「一日だけ、休んでください。」

由美子「はい。ありがとうございました。」

ナース「はい。では、寝ていてください。」

太陽「はぁ・・・。」

そう、活気のない挨拶をして、居心地の悪いベッドで一日を過ごした。
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