最果てのエデン

あたしが吐いた呆れたようなため息にもお構いなしで、にこっと笑うと芹沢は強引にあたしを連れて歩き出した。

「ちょっと!」慌てて抗議してみても、その手は一向に緩まなくてあたしの身体は意志とは関係なく進み出す。


止まろうと思うのに止まれなくて、でもここじゃ誰もあたしを助けようなんてしてくれない。

そこまで思ったところで、別にもういいかと考えてあたしは抵抗していた力を抜いた。


だって、それで今更どうなるってもんでもないし。

その瞬間だった。
ぐいっと強く誰かに肩を掴まれて、気がつけばあたしはその誰かの腕の中に居た。


目の前にいやそうな表情を浮かべた芹沢が見えて、もしかして……と考えるより先に、頭のうえから振ってきた声にあたしはそれが誰かを確信する。

さっきのバーテンダー。

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