最果てのエデン

痛む。痛む。痛むのは右目だ。胸じゃない。気持ちじゃない。
掻き抱くように自分を抱きしめて、あたしはソファに沈んだ。

忘れられない。忘れるわけにいかない。


『――なんであの子は死んだのに、あなた生きてるの?』

『かわいそうだよね、美月ちゃん。万葉くん死んじゃって』

『万葉くんが庇ったらしいわよ、立派よねぇ』

『なんであんたは――』




『―――死ぬな、美月』





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