最果てのエデン

ふらふらとどうでもいいような他愛もない話をしながら芹沢と2人で歩く。
途中、金髪の派手な男の人に名前を呼ばれたけれど、あたしは気にしなかった。

その人の声がいやに切羽詰った空気をはらんでいても、その瞬間自分の肩を抱く芹沢の腕の力が強まったことに気がついていても。


どうでもいいことだと、あたしは思った。


「美月ちゃん、ちょっと……! 芹沢、お前も! 壱葉に何されてもしらねぇからな、俺は!」


――壱葉。

その名前にあたしはどうされたいんだろう?

憎んで欲しいのか。それとももしかして、あたしは傲慢にも許しを請うているのだろうか。




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