最果てのエデン
なんて古臭い決め台詞だ。
そう冷静な芯の部分では思うのに、蕩けた大半の思考は楽園を夢想する。
楽園。
そこにはきっと、無邪気な笑顔の万葉がいて、あたしがいて、イチくんがいるんだ。
イチくんの優しかったお母さんもいるかな。
あたしは幸せに眼を細めた。
いいな、そこはいいな。
行けたらいいのにな、
「―――――任せといてよ」
半ば無意識にこぼしたあたしの言葉に、にっと笑った芹沢の顔が近づいてきてキスが始まる。
舌が入ってきて唾液じゃない何かとろっとした液体が流しこまれる。