最果てのエデン
駄目だと思ったけれど、小さく呻いてみるのが精一杯でキスは深くなる一方で。
ようやく芹沢の唇が離れたのは、あたしの喉が鳴ってそれを呑み込んだことを確認してからだった。
「―――今の、何?」
「大丈夫だって。やばいのじゃないから。全部忘れて、幸せになれちゃう魔法のクスリ」
「なに、それ……」
「大丈夫大丈夫、ね、気持ちイイコトして、それで忘れちゃったら美月ちゃんも嬉しいでしょ?」
ぐらりとあたしの視界は揺れた。
大丈夫、大丈夫。
おまじないのように芹沢の声が反響する。