最果てのエデン
――イチくん。
自業自得だなと思いながらも、あたしの深層はこのとき確かにイチくんの名前を叫んでた。
万葉と縋るように呼ぶいつもの調子で。
祈るように、
イチくんの名前を。
それでどうして欲しかったのかは、分からないのだけれど。
『美月ちゃん』万葉が笑う。『ひどいよ、僕が助けてあげたのに』
ごめんねごめんね、万葉。もっと生きていたかったよね。
あんただったらきっと、もっと。
あたしなんかよりよっぽどみんなを喜ばせたのにね。