最果てのエデン
壊れた方が良かったのかもしれないように思えて、それをうち捨てるように強く、美月の名を呼んだ。
逃げるな。逃げるなんて、許さない。
――そんなのは、
「いやだよ、イチくん」
先ほどまでの激情が嘘のように、美月は無感情でぽつりと呟いた。
「万葉がいないなんて、そんなのいやだよ。ねぇ、だからイチくんはあたしが嫌いなの」
もう、何も、言えなかった。
「――寝ろよ」小さな頭を包み込むように抱き起こして、背中をぽんぽんと叩く。