最果てのエデン

「………イチくん、」

「美月が自分を責めるのを止められないのなら、それでいい。だけどそれをするなら俺の隣でにして」

「――――」

なんでそんなに、イチくんの声は、あたしを追い詰めるんだろう。
泣きそうに響く、その声が。


「考えてっていっても、もう美月は無理なんだろうな。もうだったら、しょうがないだろ」


ぎゅっと背中に回された腕が痛いぐらい力が込められて、もう本当によく分からなかった。


ちがう、あたしが駄目なのに――、


許されないのは、あたしで。強迫観念のようにあたしの中で周り始めるのは、万葉の笑顔だった.

< 158 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop