最果てのエデン
帰りの車内で、来たときと同じく少し離れて座る美月に疑問に思っていたことを投げかけてみた。
まだ帰宅ラッシュには早い車内は空いていて、こんなにのんびりと座るのは変な感じだった。
もうしょうがないなと思った。
昨日の美月を見て。こいつはきっと、分からない。
だったら、しょうがない。俺が見てやらないと。
そう思うそれは、刷り込みに近いのかもしれない。
愛情かと問われたら、親愛なのか記憶から沸き起こる憐情なのか連帯感なのか、同情心なのかそれさえも曖昧のまま。
――それでも。
吐いた言葉に、後悔するつもりはない気でいる。墓参りを終えてから、ずっと青い顔をしている美月の横顔に視線を送る。