最果てのエデン
「それはそうとお前、家戻らなくていいのか」
当たり前の顔をして一緒に連れ帰っておいてなんだとは思うけれど。
そう問えば、定位置と化したソファに座り込んでいた美月は、目を瞬かせてああそうだねと呟いた。
1人の子の親と言うよりかは「女」であることを強調していた美月の母親の姿を思い出す。
彼女は今の美月の様子から察するに変わってはいないのだろう。
「……連絡は、一回したし。あたしが帰ってないこともそこまで気に留めてないんじゃないかな。あの人、今新しいオトコに夢中みたいだから」
「―――変わってねぇのな」
「そうだね、たぶん、見た目もそこまで変わってないよ。若作り過ぎてちょっと気持ち悪いけど」