最果てのエデン
俯いて叫んだ里穂が、あたしの机に強く両手を打ちつけた。
その音がどこか遠くで響いたようにしか思えなくて、なんでただの遊び友達のはずの里穂がそんな泣きそうな顔をするのか分からなくて、ひどく困る。
「あのとき、あたし、もっとちゃんと止めたらよかった! 芹沢になんて着いていくなって! だって、美月ずっと泣きそうな顔してるんだもん。なのに笑うから……ッ、もうやだよッ」
「…………っ」
「ねぇ、美月……!」
里穂の腕が伸びて、あたしの肩を掴む。
小刻みに震えているようなきがして、勝手にあたしの身体はびくりと震えた。
つられて戸惑いに里穂の瞳が揺れた。
そこに映りこむあたしは、ひどく頼りない顔をみせていた。