最果てのエデン
「適当に座れば」
そう言った男の部屋は繁華街の外れにある小奇麗な1LDKのマンションで。
通されたリビングはがらんとしていてひどく殺風景にあたしの瞳には映った。
黒い2人掛けのソファーにガラスのテーブル。後はカウンター式の小さなダイニングがあるだけ。
マイペースに男は冷蔵庫からミネラルウオーターのボトルを取り出してそれに直接口をつけて、さも普段どおりって顔をしていたから。
あたしは躊躇しているのも馬鹿らしくなって、わざと大仰な音を立ててソファに沈んだ。
着くなり早々放り投げられたタオルで乱暴に髪を拭いて水滴を搾り取る。
服が濡れて気持ちが悪いのはもう諦めることにした。