最果てのエデン
「美月は、きっと今すごく悩んでるんだと思うんです」
挑むようにそう言い切った少女を、なんとも言えない思いで俺は見下ろした。
「――なんで俺にそれを言うわけ? その原因が俺だとは思わなかった?」
「だって、」
「だって?」
逡巡してから、少女はそれでも俺を見据えた。
その純粋さがほんの少し疎ましいように思えてしまったことに、どうしようもない自己嫌悪を抱く。
「だって、タケさんは美月のこと好きなんじゃないんですか? 美月は絶対にタケさんのこと、好きなのに」
その答えが、俺にはずっと分からないでいた。
*