最果てのエデン

「だから美月。それを決めるのはお前しかいねぇの」

「………あ、たし?」

「うん。美月の中の万葉が決めるんだ。だから、俺が決めることじゃねぇし、万葉が決めることでもない。わかる?」


――万葉。


あたしの隣に居ない万葉。
あの日いきなり消えてしまった、万葉の未來。

でも、それは、もうないのだから。
どう想像したって、万葉が答えを持っているかもしれないけれど、それを知ることなんて誰にも出来なくて。

だから。


だから、あたしは。

でも、万葉のせいにしてあたしは逃げてたのかな。
考えるのが怖くて、進むのが怖くて、今を生きるイチくんたちに軽蔑されるのが怖くて。

万葉を言い訳にしてたのかな。

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