最果てのエデン
あの日の後、美月に俺の母親の自殺の一件を知った経緯を聞いて、元から彼女と馬が合わなかった(というか、なんというか難しい人だと思う。美月の母親は)家元を離れてみることを勧めた。
と言っても美月はまだ未成年だし、高校生だ。
どんな母親であれ保護者として美月の高校の授業料だって払ってくれていたわけだし、生活だってみてくれていたのだから難しいとは思ったのだけれど。
精神的な圧迫感は強かったように思うし、俺と俺の父が間に入る形で美月はしばらく俺の家で生活を共にすると言うことで彼女の母親も納得を一応は示してくれた。
それから2ヶ月あまり。
冬が明け、春が来て、来週から美月は高校3年生になるらしい。
「いいと思うけどっつうか、それが当たり前だと思うけど。どした? 急に」