最果てのエデン
言葉を区切って、気恥ずかしそうに美月はスプーンでオムライスを切り崩した。
そして続ける。「すごい懐かしい味な感じがして」
「お前の母ちゃん料理しねぇんじゃなかったの?」
「いや、あたし結構小さい頃はご近所さんの家でお世話になってたから。って、何であたしこんなこと言ってんだろ」
「……」
「ねぇ、万葉のお母さんは料理上手だったの?」
そうだなと遠い思考で俺は答える。
確かに上手かった記憶はあるがもう10年近く食ってねぇからはっきり覚えてねぇ。
美月はあからさまに困った顔をした。