最果てのエデン

あたしが馬鹿にしたって言うか、馬鹿にしたのはあの男だと思うんだけどな。


「……ってか文句言いたいのはこっちの方なんですけど。あいつマジで最悪だったって」

『そんなことどうでもいいって! それよりさぁ、美月どうやってタケさん落としたの?』

「………はぁ? タケさん?」

『え、はぁ? って、だからタケさんだってば。付き合ってんじゃないの?』


再び出てきた知らない名前にあたしは記憶をたどる。

けれど今回は本当に心当たりがなかった。

そもそも『付き合う』だなんて形容詞、自分に似合わなさすぎる。
1夜のお相手みたいなことしかあたしはしないし、あそこの連中もそういうことだと思ってると思ってたんだけど。

前に遊んだ男がなんか勘違いして言いふらしてるんじゃないの? と返せば、そんなわけないとふてくされたアミの声。


だって、タケさんだもん。そんなことないよ。

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