最果てのエデン
俺のせいかもしれない、としばらく思っていた。
男なんだからいつまでも泣き虫じゃ駄目だと。
美月を守ってやれるようになれよと発破をかけた記憶がよみがえってきたからだ。
だからかもしれないなんて、そんな今から思えばひどくしょうもないことをだ。
それでもそのときはそう真剣に思っていて。
美月は今もそんなどうにもならないもどかしさを抱えているのかもしれない。
美月が待っている家に帰る気になれなくて、俺はあえて遠回りをしてぽつんと繁華街から外れた場所にある小さな公園に立ち入った。
ブランコが夜風に揺れていて、万葉がそれを怖がっていたのを思い出す。
身体が宙に浮く感じが駄目なんだよねと気弱に笑っていた万葉は、美月がぶんぶん高くブランコを漕いでいるのを心配そうに見ていたっけ。