あたしの隣には、

春の風につられて

春。


あたしも中学生になる。

昔からの友達とは、もっと仲良くなって、新しい友達もたくさん増える!!





・・・・・という筈だった。


それは、小学6年生になったばっかりの頃だった。


「南~、ちょっと来てくれないか」


先生にそう言われ、あたしは職員室に行った。

怒られるのかな・・・?とビクビクしていたあたしに、先生は、


「お前の住んでいる地区は、矢粋(ヤイキ)だよな」

「はい」


先生は少しバツが悪そうな顔をして、話を切り出した。

怒られると思っていたあたしは、先生のその話に少しビックリした。

あっ、矢粋とはあたしが住んでいる地区で、この学校ではあたししか住んでいない。

って言っても、ここは田舎だし・・・。

子供の数は少なく、この学校の全校生徒は130人程度。

1学年1クラスは当たり前。

んで、矢粋ってのは、この学校からとっても離れてて、あたしはいつも1時間半かけてこの学校に来ている。

中学生になったら、もっと離れる。

だから、親は私立を受けて寮暮らししたら?とか言ってるけど・・・

あたしには、そんな頭無いし・・・、

第一に友達と離れたくない!
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