あたしの隣には、
祐が屋上の鍵を開けて、屋上に出た。

屋上に吹いている風は、朝と同じ、心地よい風だった。


「なんで、屋上の鍵持ってんの?」

「あぁ~・・・、俺、この学校の3年に兄貴居んだ」

「へぇ~」

「で、兄貴から貰った」

「なんで、お兄さんは鍵持ってんの?」

「あぁ~・・・、どっからか鍵盗んで合鍵作ったらしい」

「ふ~ん・・・」


軽く流してみたけど、結構やっちゃいけないことだよね。

・・・まぁ、いいか。


「お前にもやる」

「えっ!?」


祐はポケットから鍵を取り出した。

そして、あたしの前に差し出す。


「貰っとけ」

「あっ・・・、いいの?」

「あぁ」

「あ・・・ありがとう」

「おぅ」

「あははっ」


祐は少し口角を上げて、小悪魔とはちょっと違う笑顔で笑う。

それにつられて、あたしも笑った。
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