ぼくとまーくんのほのぼのにっき
「っあぶな…」
腕が伸びる範疇ギリギリに飛んだ黒い石をキャッチする。
俺はその滑らかな手触りに懐かしさを思い出しながら、見つめる。
「昔、石見つけごっこしてたな」
そう呟くと、真も押入れからテーブルの方へよってきて笑う。
「そうだった、そうだった。石見つけごっこかー。意味分かんねー」
「真がやり始めたんだろー確か!」
「えっあそうだっけ」
「しかもその遊び、普通のじゃなくてキレイな石じゃないといけなかったんだよ、確か」
「普通かキレイかの定義なんてなかったけど、それでもちゃんとキレイなもん見つけようと必死になってたっけ?」
「そうそう、んで、どっちがキレイかで勝負してた」
「まあ勝率は5分5分?」
「いや、俺のほうが負けてたよ」
真のやや美化された思い出を訂正した。
「だって、いつも真がおれのほうがきれいだしーって喚くから。俺が仕方なしに負けてやってたじゃん」