それでも私はあなたが好き
Prologue
「さくら…っ!!!」
名前の通り、君はさくらだった。
『悠馬くん。大好き!!』
いつも薄いピンク色のワンピースをなびかせながら、俺に笑顔を与えてくれた。
“桜は すぐに散ってしまうから、より魅力的なんだよ”
その言葉の通り、君は儚く…突然散ってしまった。
触れると壊れてしまいそうな君が一瞬にして─────…
『俺がさくらを守ってやる』
そう誓ったはずだったが、実現できなかった。
「なんでだ、よ……さくらぁっ!!!」
桜とさくらは同じだけど、違う。
だって、さくらはもう…咲かないんだ。
俺の希望が…なくなったんだ。
そして俺はその日から光を失い…───
────残ったのは、絶望と闇
俺を救える奴なんか、もういない。
*それでも私はあなたが好き*