それでも私はあなたが好き
私にニヤニヤと近づいてきたのは、
友達の成田 真央narita mao。
「また怒られたねぇ」
「うーん。私、大柳先生に嫌われてるのかな~」
「いや。その逆だよ」
その逆って……嫌いの反対は、好き。
いや。ありえない!!!
「いいな~。大柳先生、結構人気なんだよ。ひかり知らないの?」
「う~ん」
まあ確かにカッコいいんだろうけど…タイプじゃない。ああいうガツン系の人は。
私のタイプは…不思議な人、かな。
前にそのことを真央に言ったら『何それ~』って笑われたから、もう言わない。
「ひかりは不思議な人好きだからねぇ~」
覚えてたんだ…
変なことばっかり覚えてるんだから。
「不思議な人ってたとえば誰?よく分からないんだけど」
「うーんとねぇ…」
私は、教室に居るある男子に視線を向けた。
市ノ瀬 悠馬くん
ichinose yuma.
あれは─────…いわゆる一目ぼれってやつ。