それでも私はあなたが好き
彼は、不思議っていうか…何か気になる人。
入学してから自然と目が彼にいってた。
“入学してから”なんて言ったけど今日は4月の中旬。
高校に入学してからまだ1週間しか経っていない。
学校に来たのは7日にも満たないのに、彼を見た回数は2桁いっているような気がする…
そういうのが、好きっていうことなのかな────
でも…ドキドキ・キュンキュンするっていうわけじゃないんだよね。
『悠馬くんカッコよくない?』
最近こんな会話をよく耳にするようになってきた。
『アドレス、女子には教えないんだって』
あ、これも。
彼は女子が苦手なタイプなのかな────それとも、過去に女の子との苦い思い出があるとか?
まさかね。少女漫画じゃあるまいし。
じゃあ一体、彼の目の輝きはいつ消えたのだろうか。
知りたい────
彼のすべてが知りたい────
やだっ、私ったら…危ない、危ない。
「あ、そーいえば。次の時間 委員会決めるんだよね。ひかり決めた??」
「私はモチロン図書委員!!」
私は中学校からずっと図書委員────今までなんとか勝ち抜いてきた。
図書委員、人気あるんだよね。
「そうなんだ。ジャンケンになると思うけど頑張ってね」
「うん!」
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った───運命の委員会決め。