それでも私はあなたが好き

2人っきりの放課後

「それじゃあひかり、あたし先に帰るね」

「うん。また明日」


私と真央は部活に入っていないので、学校が終わり次第、いつもさっさと帰ってた。

でも、今日は違う。


学級委員の仕事があるからね。



「太田さん…始めてたんだ」

市ノ瀬くんが教室に入ってきた。


「あ!ごめんね。勝手にやってて」


「いや、俺が遅かったから。ホチキスどこ?」


「はい」


「サンキュ」



きゅーん

私、どうしたらいいですか?
市ノ瀬くんにキュン死にしちゃいますよ。


女の子はちょっとしたことで男の子にキュンキュンしちゃうんです。






「…………」

「………………」



それ以降、何も会話がない私達。

仕事してるんだから、会話がないのは当たり前なんだけどね。




私は顔を上げて目の前にいる市ノ瀬くんの盗み見する。


やっぱりかっこいい…