Simple



「・・・・千代子?」


 目を開けると、夕日と一緒に怜都の顔が飛び込んできた。



「あれ…あたし、寝てた…?」


「よく寝てたよ。もう2時間位経ったから。」



 うっそ・・・・


 泣き疲れて眠るなんて何年ぶり?


 ちょっと体を起こすと、香ばしいにおいがあたしの鼻をくすぐる。


「ん、何かいいにおい…。」


 今度こそ体を起こすと、ミニテーブルの上に、おいしそうなチョコケーキがのっていた。
< 12 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop