Simple

「…ねぇ、怜都。」


 あたしが口を開くと、ん?と首をかしげる。



「このケーキ、誰のために作ったの?」



 あたしは、ちょっと上から目線で怜都に聞いた。


 怜都は、一瞬きょとんとしたあと、何かを思い出したようににやにやしながらあたしを見る。






「それはもちろん、千代子さまのために。」



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