あなたは敵・・。
Ⅰ
「あなたっ・・!!目を覚ましてちょうだい!あなた・・っ」
目の前で横たわる父。
その上で泣きじゃくる母。
周りでスーツを着込んで涙をこらえて
うつむくお兄さんやおじさんたち。
私はなにもかもの意味が分からず
ただきょろきょろしていた。
医者のような人が父の顔の上に白い布を
かぶせる。
「なんでそれかけるの?パパ苦しくて
寝れないよ。」
私は医者に尋ねた。
「あのね、芽衣。もうパパは苦しい想いも
悲しい想いもすることはないのよ・・」