パンドラの箱
倦怠期

パチン


「あたし、先帰るね。」

「どうしたの」

「海斗が下で待ってるって。」

「彼氏もちが!」

「あはは。じゃあ、またね。」



SHRが終わって部活に行く人、寄り道の計画を立てる人。


そんなざわつく教室を出て、海斗が待つ昇降口に行く。



正直、あんまり会いたくない。

嫌いになったわけじゃない。


ただ、二人でいることに息が詰まって、言葉を交わさない空気が喉を押し潰す。


最初の頃は一緒にいるだけで楽しかった…の、かな?


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