パンドラの箱
「海斗」
昇降口につくと、海斗は下駄箱に背を預け、見慣れたケータイをいじっていた。
「遅い」
昇降口から1番遠い教室にいたあたしは頑張っても2分はかかる。
一生懸命4階から降りてきたのにこの言われよう。
いらつくなっていう方が無理でしょ。
あたしが靴を履き変えるまで時間がかかったせいか
「まだ待たせるの?」
海斗はいらつきを隠さない。
文句をいったところで喧嘩になるのは目に見えているので
あたしは急いで靴を履き変えて海斗の背中を追いかける。
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