好きと言えない


そもそも私は人が嫌いだ。
人は嘘をついて相手の事を傷つける。
だからそんな人間が私は嫌いだ。
でも私だってこの世の人間すべてが
嫌いなわけじゃない。現に親友だっている。
けれどやっぱり人間の良さというものが
何なのか分からない。
親友にも本当の自分を見せたことがない
よって必然的に恋という摩訶不思議なものを
経験したことがないのである。

ただ、これを恋というかは分からないが
1度だけ、たった1度だけ
1人の人間に心を許した事がある。
素直に甘え、素直に怒り、素直に泣いた。

もう2年の前の話だけどあの時のことは
鮮明に覚えている。




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