君の隣で
こらえられなくなった涙が溢れだす。
「……亮太に聞いて」
それだけ言って、梓は教室へ戻っていった。
久野くんに聞けば、なにか分かる…?
私は、久野くんを探した。
とにかく、屋上へ行ってみた。
あ、久野くん…!!
「久……」
「俺、あーちゃんに別れを告げてきた」
……………この声。
ちょっと覗いてみると、そこには梓と久野くんの姿が。
「………そっか。それが梓夢の出した答えなんだな」
「なんで…こんなに弱いんだよ、俺は。飛鳥と、もっと一緒にいたいのに…飛鳥の隣に、いたいのに…」
梓は、どうやら涙を流したようだ。
それを慰めるように、久野くんは言う。